自主規制機関とは、金融商品取引法により自主規制の権限を付与され、自らの定款や諸規則によって取引のルールを定めている団体です。 簡単に言えば、「その団体で決めたルールは、厳密には法律ではないけれど、法律と同じような強制力がありますよ」ということです。
日本の自主規制機関
日本の主な自主規制機関としては、下記があります。
- 各証券取引所(= 金融商品取引所)
- 日本証券業協会(金商法上の認可金融商品取引業協会)
- 投資信託協会(金商法上の公益法人金融商品取引業協会)
このうち、日本証券業協会と投資信託協会は、金商法での定義ではどちらも金融商品取引業協会になります。 より正確には、日本証券業協会は認可金融商品取引業協会、投資信託協会は公益法人金融商品取引業協会です。
- 認可金融商品取引業協会
- 金融商品取引業者が組織した金融商品取引上の法人であり、その設立には内閣総理大臣の認可が必要です。 日本証券業協会は、認可金融商品取引業協会のひとつです。
- 公益法人金融商品取引業協会
- 金融商品取引業者が民法第34条の規定(公益法人に関する規定)により設立した法人であり、金融商品取引業者等に対して禁輸商品取引法等を遵守させるための指導、勧告その他の業務などを行う者として内閣総理大臣が認定した者をいいます。 投資信託協会は、公益法人金融商品取引業協会のひとつです。
これらの機関を通じて制定された自主規制は、監督官庁(金融庁)の公的規制と並び、金融商品取引業規制の柱となっています。
アメリカの自主規制機関
このような法律に裏付けされた自主規制の仕組みは、もともとはアメリカから輸入されたものです。 アメリカの証券界の自主規制機関には、国法証券取引所、および、FINTA(Financial Industory Regulatory Authority: 金融取引業規制機構) があります。 両者は SEC (Securities and Exchange Commission: 証券取引委員会)と連携を取りながら、様々な自主規制措置を講じています。