メモ
高金利通貨はおトクというウソ
- 外貨建ての金融資産には、基準通貨のインフレ率が紛れ込んでいるから、単純に収益率だけを見て優劣をつけるのは危険。
- 購買力平価 (PPP) の考え方によれば、インフレ通貨は安くなり、デフレ通貨は高くなる。つまり、為替レートは両国のインフレ格差に強く影響される。インフレ通貨≒高金利通貨なので、高金利通貨は長期的に安くなる。名目金利が高いので、落ち着いているときには金利に惹かれて投資家がよってくるので、「じわじわ上がって、短期間に落ちる」ということを繰り返すが、長期的には日本円購買力平価に沿って下がっていく。
- 預金金利(短期金利)=インフレ率+実質金利=正確には、(1+インフレ率)(1+実質金利)−1 であり、高金利通貨というのはこの左辺が大きく、収益が多そうに見えているもの。実質金利にあまり差がないのであれば、インフレ率が高いということ。つまり、高金利通貨による収益は、インフレによって相殺されてしまう。
- 経済を健全に成長させるためには、1〜3%くらいのインフレがあったほうがよい。そうすれば、いま借金をして、新しいビジネスに挑戦する人を助けることになるし、お金持ちも今の蓄えに安住することなく投資をする。
- インフレは借金を目減りさせる魔法なので、借金の多い政府はインフレを起こしたがる。「国家債務はどんなに大きくても問題ない」と強弁する政治家が力を持つようになってきたら、投資家としてインフレを視野に入れた対策をすべき。
このあたりの基本を押さえていれば、なぜトルコリラの下落が続いているかも分かってきますね。
現代投資理論
- 現代投資理論における「リスク」とは、標準偏差で示される価格変動の大きさと定義。そして、資産を複数組み合わせることによって、それを抑えることができる分散効果。
- 価格変動が怖いのは短期の投資家だけであり、長期の投資家にとっては収益率がより重要になる。投資期間が長ければ、ハイリスク・ハイリターンの資産を組み入れる比率を上げる。簡単に言うと、ひたすら期待収益率の高い(ハイリスク・ハイリターン)の投資を長期間続けていけば、短期的には損することはあっても長期的にはより儲けられるということ。