先物取引や FX などでは、口座に入金したお金にレバレッジをかけ、何倍もの金額の取引を行うことができます。 金融業者にとってみれば、このお金は担保として預かったお金であり、これを証拠金と呼びます。 証拠金は、さらに細かく下記のように呼び分けられます。
証拠金残高(受入証拠金) (Balance)
FX 会社などに預け入れた証拠金の額です。 ポジションを持ったり、評価損益が出ている場合でも、証拠金残高は変化しません。 ポジションを決済し、損益が確定した時点で証拠金残高が変化することになります。
必要証拠金(取引証拠金) (Margin)
現在のオープンポジションに対して必要な証拠金の額です。 FX では取引している通貨のレートが変動すると必要証拠金も変動します。 日本の FX 会社では、レバレッジは 25 倍以下(個人口座)と決められいるので、取引額の 4% 以上を必要証拠金として FX 会社の口座に預託しておかなければいけません。 例えば、レバレッジ 25 倍の場合に、100 万円分の取引を行う際に必要な、必要証拠金は下記のように求められます。
100万円 / 25 = 4万円
もちろん、リスクを抑えて取引したいという人がレバレッジを最大 10 倍までと設定しているのであれば、同じ取引額でも必要証拠金は増えることになります(それほど多くの取引ができないということ)。
注文中証拠金
まだ約定していないエントリー注文に対してかかる証拠金です。 指値・逆指値によるエントリー注文をしている場合は、その注文に対しても証拠金が必要となります。 いつ約定するか分からないため、そのときに備えるための証拠金です。
有効証拠金
あといくらの証拠金分まで取引を行うことができるかを表します。 FX 会社に預けた証拠金額に、現在のポジションの評価損益を加え、すでに利用している証拠金を差し引いた金額です。
証拠金残高 + 評価損益 ー 必要証拠金 ー 注文中証拠金 = 有効証拠金
すべてのポジションや注文を閉じると、 「証拠金残高 + 評価損益」 の部分が口座に残るため、この部分を 純資産 (Equity) と呼んだりします。
証拠金維持率 (Margin Level)
純資産が現在のポジションの必要証拠金に対してどれくらい余裕があるかを示します。 証拠金維持率は下記のように計算されます。
純資産 / 必要証拠金 = 証拠金維持率
通常、証拠金維持率が 50% を割ると マージンコール (電話やメールによる催促)がかかり、口座への入金 「追証(おいしょう)」 や、ポジションの決済を求められます。 ある程度の含み損をかかえても、強制ロスカットされないようにするには、余裕を持った証拠金維持率を保つことが必要です。 証拠金維持率は、FX 会社によって呼び方が異なることがあります。
- 証拠金維持率(SBI FX トレード、楽天 FX)
- 証拠金率(Meta Trader)
- 口座維持率 (外為オンライン)