まくまく投資ノート
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ウォーレン・バフェット とそのよきパートナーである チャーリー・マンガー、バフェットが師匠と崇める ベンジャミン・グレアムフィリップ・フィッシャー の 4 人についての経歴や、それぞれの投資スタイルの違いなどをマンガでわかりやすく学ぶことができます。 株式投資をしていれば、この 4 人の名前には必ずどこかで出会うことになります。 まずはこのマンガで 4 人の関係をざっと把握すると、バフェットの言っていることがわかりやすくなると思います。 ちなみに著者の田中憲さんは、マンガ版の 『妖怪人間ベム』 を描いてる人なんですね。

このマンガを読み終わった頃には、グレアムの 『証券分析』『賢明なる投資家』 なども読みたくなっていることでしょう。。。 『賢明なる投資家』の日本語の出版は 2000 年ですが、元になった『Intelligent Investor』は 50 年も前の 1949 年に書かれたものです。 投資において本当に大切な部分はずっと変わっていないということですね。

まとめメモ

ウォーレン・バフェット (1930-08-30 〜)

  • かつてはテクニカル分析にも熱中したが、1949年ネブラスカ大学在学中にベンジャミン・グレアムの『Intelligent Investor(賢明なる投資家)』に出会い、テクニカル分析からは遠かった。
  • 1943年、13歳で新聞配達を始める。
  • 1946年、ペンシルバニア大学ウォートン校入学。
  • 1950年、ネブラスカ大学卒業。
  • 1950年、グレアムの授業を受けるためコロンビア大学ビジネススクールへ入学。グレアムの「適正株価」について学ぶ。
  • 1951年、コロンビア大学ビジネススクールを卒業し、バフェット・フォーク社へ入社。
  • 1954年、グレアムの会社(ニューヨークのグレアム・ニューマン社)に入社し、2 年間学ぶ。
  • 1956年、オマハでバフェット・アソシエイツ設立。
  • 1962年、バークシャー・ハサウェイの株を購入。
  • 1965年、バークシャーの持ち分が49%となり経営権を取得。1株7ドルで買収したが、長年赤字経営の再建はうまくいかず、繊維部門は閉鎖となる。「再建を見越して株を買ってはいけない」と言う教訓を得た。のちにバフェットの投資持株会社として生まれ変わる。株価は上昇し続けている。
  • 1969年、バフェット自信がバークシャーの29%株主となる。
  • 1987年、マンガーと共にソロモン・ブラザーズの取締役に就任。
  • 1988年、コカコーラ株購入。
  • バフェット流「投資家として成功する条件」
    • 第1条 … 自分の欲に抑制をかけながらも、心は絶えず躍動していること。投資の魅力に取り憑かれていること。
    • 第2条 … 我慢強いこと。今後10年間証券取引所が閉鎖されても平気だ、と言えるぐらい惚れ込んだ銘柄でなければ買ってはいけない。
    • 第3条 … 人の意見に惑わされず、自分で考え、自分で判断する。最初にその株の購入理由を一目でわかるように全て書き出す。それで納得のいく結論を出したらもう迷わない。
    • 第4条 … 十分な情報に裏打ちされた判断は、心の平静を促し、自信を持たせる。本当の自信がないと、みんなが売りに走った時、恐怖に耐えられず、損を覚悟で逃げ出す羽目になる。
    • 第5条 … 知ったかぶりをしないで、正直に知らないと言えること。
    • 第6条 … 投資の銘柄を決めるときは、先入観を捨てて柔軟に判断すること。ただし、本来の価値を超える値段では絶対に買わないこと。企業の現在価値および将来価値を計算すること。
  • バフェット自身は、85%がグレアム、15%はフィッシャーから影響を受けているといっているが、実際の投資方法はフィッシャーに似ている。

チャールズ・トーマス・マンガー (1924-01-01 〜)

  • 通称チャーリー・マンガー。
  • バフェットと同じく、ネブラスカ州オマハ生まれ。アルバイト先がバフェットの祖父の食料品店だった。毎週土曜日に奴隷のように働いた。
  • 1941年にミシガン大学へ入学し、数学を専攻。ここで学んだ物理学は生涯にわたってマンガーに影響を及ぼすことになる。
  • 「世界を動かすだけの資質を有する者は、是非とも物理学を学ぶべきだ。ものの考え方を学ぶことができる。科学的な手法は科学以外でも役に立つ。」
  • 19歳で軍に入隊。ポーカーを通じてビジネス手腕を磨いた。
  • 1946年に除隊になり、ハーバード大学ロースクールに入学。1948年に修了。以前から本を読むことで様々な事柄を学んでいたの、学業は駆け足で済ませた。
  • 1948年、ハーバード大学卒業後、巨大都市ロサンゼルスで弁護士を開業。
  • 1949年、ロザンゼルスの法律事務所ライト・アンド・ギャレットに入所。
  • 1959年、父アルの遺産整理のために実家に帰った際に、29歳のバフェットに出会い、株の運用ビジネスに足を踏み入れる。のちにバークシャー・ハサウェイの副会長となる。
  • マンガーは引退後のグレアムと同じ町に住んでいたため、二人は知り合いになった。
  • マンガーはグレアムの考え方の盲点は、「高いプレミアムを払ってでも買う価値のある企業がある」という点を見過ごしてしまうところだと述べている。
  • 1962年、法律事務所の客でもあるジャック・ホイーラーと、投資パートナーシップ「ホイラー・マンガー・アンド・カンパニー」を設立。
  • 1978年、バークシャー・ハサウェイの副会長に就任。
  • 「優れた投資家になるためには、何よりも自分の性質を理解せよ。誰にでも適合するような投資戦略は存在しない」
  • 「不安に答えられる能力があるかどうかが投資家の成否を分ける」
  • 「正しい価値観に従っていれば最後にはうまくいく。だから何度か失敗したくらいでは挫けてはならない」

フィリップ・アーサー・フィッシャー (1907-09-08 〜 2004-03-11)

  • 通称フィリップ・フィッシャー。
  • 企業の成長力を重視する グロース投資法会社訪問 により経営者の素質を見極め、長期投資 することを前提とする。
  • フィッシャーは成長性を重視するため、持株はモトローラ、テキサス・インスツルメンツなどのハイテク株が多い。
  • フィッシャーが物色対象としている企業の条件は、一流の経営陣と、高度な技術水準を兼ね備えていること。宣伝広告による消費者心理に依存している企業には投資しない。「大勢に従っていてはダメだ」
  • 若くしてスタンフォード大学の大学院に通い、在学中に実践教育を心情とする教授に師事。企業訪問を通して、企業の各部署が協調して努力することの重要性を学んだ。
  • 在学中は進んで担当教授の送り迎えをし、その車中で議論したことが非常にためになった。
  • 1931年、証券アナリストから独立し、24歳で投資顧問業を開業。
  • 「広く浅くというのはできれば避けたい。ちゃんと理解したければ、的を絞るべきだ」
  • 「大きく儲けるコツは、超有望銘柄を厳選して買い、成長し続ける間は何年でもひたすら持ち続けること」
  • 「非現実的なことにこだわる投資家は、いずれ成功の可能性さえ失う。特にほんの2、3ヶ月先の相場を占うことで大儲けできると過信している投資家のことだ」
  • 「株式の買い付けさえ間違わなければ、投資過程はほぼ完了したものと思っていい。売りのタイミングなどどうでもいいことだ」
  • 「競争優位の有力企業の株を手にしている者こそ、慎重な投資家の名に値する」
  • 「企業情報を手っ取り早く手に入れる場として、業界団体の展示場がある」
  • 2004年、フィッシャー死去。

ベンジャミン・グレアム (1894-05-09 〜 1976-09-21)

  • バリュー投資の父
  • フィッシャーと同様ファンダメンタルズ重視だが、企業の内在価値を全て数値(データ)で捉えて割安なバリュー株を見つける。経営者に会うなど、迷いを生む要素は排除する。
  • 割安株を拾って、利益が出たらすぐに売却する。
  • 高校卒業後、奨学金を得てコロンビア大学へ入学。数学、英語、哲学において優秀な成績を納める。
  • 1926年、ベンジャミン・グレアム共同投資会社を設立。
  • コロンビア大学卒業後は家計を支えるためウォール街で働き、のちに母校に戻り教鞭をとった。ビジネススクール史上最も人気のある講座となった(1928年〜1956年)。
  • ビジネススクールで教えている最中の1934年にデビッド・L・ドッド教授との共著 『証券分析』 (原題は Security Analysis)などを出版。投資入門書としては、1949年の 『賢明なる投資家』 (原題は Intelligent Investor)が永遠の名著として知られている。
  • 英雄ユリシーズの小説が好きだったが、自分自身の欠点や長所と重なるからだということに気づいた。
  • 1956年の引退後にカリフォルニアに移り、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の経営大学院の教授となる。
  • 「投機家と投資家の違いは、実際に相場の変動に対してのどのようなスタンスをとるかという点にある」
  • 「投資は詳細な分析に基づいてなされるべきで、元本の安全性と十分なリターンが約束されなければならない」
  • 「賢明なる投資家は株価の動きではなく、企業の内在価値に注目する」
  • 「分析して適正株価をはじき出し、それよりも売られすぎた割安株を拾う」
  • 「株式市場ではろくに調べもしないでリスクを取られがちだが、これが賢明な投資家に絶好の買い場を与えてくれる」
  • 「社会情勢や新製品の売れ行き、企業動向、経営手腕といった把握しにくいものには頼らず、完全に数量的なアプローチをとる(企業の資産価値が割安かどうかのみを見る)」
  • 「あなたの判断に人が賛同してくれるかどうかはその判断の成否とは無関係である。あなた自身が事実を正確に把握しているかどうか、そして正しい論理に沿った展開をしているかがあなたの判断の成否を決めるのだ」
  • 1976年、グレアム死去。
  • 2000年、パンローリングから Intelligent Investor の日本語版 『賢明なる投資家』 が出版される。

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