社会保険と私的保険
保険は大きく分けて 2 種類、国が制度として定めている公的な保険(社会保険)と、民間の保険会社などが提供している私的保険があります。 日本は国民皆保険であり、全員が何らかの社会保険に加入していることになるため、社会保険でカバーできない部分を、私的な保険でカバーすることになります。 逆に言えば、社会保険でカバーできていることを、余計なお金を払って民間の保険でカバーする必要はないということです。 その判断をするためは、
- 自分がどのような社会保険に加入しているのか?
- それぞれの社会保険が、どのような条件で、どのような給付を行ってくれるのか?
といったことをちゃんと把握しておく必要があります。 まずは、社会保険制度について詳しく学んでいきましょう。
社会保険(公的保険)
国民の最低限の生活を保障するために国が定めている制度として、社会保険制度があります。 病院での自己負担が 3 割で済んだり、年金がもらえたり、労災時に給付があるのは、この社会保険制度に加入しているおかげです。 社会保険は大きく分けて、下記の 5 つに分類することができます。
狭義の社会保険
- 公的医療保険(健康保険/国民健康保険/後期高齢者医療制度)
- 病気や怪我をしたときのため
- 公的介護保険
- 要介護状態になったときのため
- 公的年金保険
- 老後の生活のため
労働保険(労働者を 1 人でも雇っている事業主は加入義務あり)
- 雇用保険
- 働けなくなったときのため
- 労災保険(労働者災害補償保険)
- 病気や怪我をしたときのため(労働が原因のもの)
任意保険(民間保険)
民間の保険会社が販売している保険は、万が一のときに備えて任意で加入するものです。 社会保険でカバーできない部分の備えです。
- 第一分野の私的保険(生命保険): 人の生死を対象に一定額の支払い受けるための保険
- 第二分野の私的保険(損害保険): 偶然の事故による損失を補填(実損払い)するための保険
- 第三分野の私的保険(医療保険)
年金
年金は老後の生活資金を準備するためのものです。 日本国民全員が加入する公的年金に加え、企業が労働者のために提供している企業年金、民間の保険会社などが提供している個人年金などがあります。
- 公的年金保険: 国が定めている社会保険のうちの一つで、全員が加入
- 企業年金: 企業がそこで働く人のために用意している年金制度
- 確定拠出型の企業年金/厚生年金基金/確定給付企業年金/中退共(中小企業退職金共済制度)
- 個人年金保険 : 個人が民間の保険会社などと契約して老後に備える
- 定額個人年金保険/変額個人年金保険
- 自営業者のための年金: 事業主や国民年金の第 1 号被保険者が加入できる年金制度
- 国民年金基金/付加年金/小規模企業共済