保険料と配当金
保険料(= 純保険料 + 付加保険料)は 3 つの予定基礎率により決まる
純保険料: 予定死亡率と予定利率により決まる
付加保険料: 予定事業費率により決まる
剰余金(= 死差益 + 利差益 + 費差益)は配当金として還元(有配当保険のみ)
責任開始日は「申し込み」「告知(審査)」「第一回保険料の払込」のすべてが完了した日
生命保険の払込方法は「月払い」「半年払い」「年払い」「一時払い」
- 例えば、一時払いの終身保険は保険期間全体の保険料を一度に支払う方法で、解約返戻金の増加は高利回りとなる傾向があります。ただし、早期に解約すると解約返戻金が元本割れすることがあります。
保険料払込猶予期間: 翌月の初日から月末まで
失効した保険契約を復活したとき、保険料率は失効前と同じ
払込みが困難なときの手段
- 自動振替貸付: 解約返戻金から立て替え。貸付けなので利息あり
- 払済保険への変更: 保険期間はそのままで受け取る保障額を減らす
- 延長保険(定期保険)への変更: 保障額は減らさず保険期間を短くする(定期保険にする)
- 払済保険や延長保険に変更すると特約は消滅
契約転換(下取りして別の保険に買い換え)時は保険料を再計算
生命保険の種類
生命保険は、人の生死に関わる保険商品の総称です。 死亡時や、高度障害になった場合に保険金が支払われるものですが、貯蓄性の有無などによっていくつかの種類に分けられます。
生命保険の種類 | 満期保険金 | 解約返戻金 |
---|---|---|
定期保険 | なし | なし |
終身保険 | なし | あり |
定期保険特約付きの終身保険 | なし | あり |
養老保険 | あり | あり |
アカウント型保険 | あり(積立部分) | あり(積立部分) |
こども保険 | あり | あり(元本割れ) |
変額保険 | あり(最低保証なし) | あり(最低保証なし) |
貯蓄性があるというのは、満期を迎えたときに満期保険金をもらえたり、解約時に解約返戻金がもらえたりすることを表しています。 死亡時の保障だけでなく、長生きした場合に備えて貯蓄を行えるものがあるということです。 また、こども保険のように、定期的に祝金がもらえたり、アカウント型保険のように、入出金機能を備えた口座のように扱える保険もあります。
逆に、保障性を重視した生命保険には、満期保険金や解約返戻金がなかったりしますが、当然その分だけ保険料が安く設定されています。
定期保険
満期保険金も解約返戻金もない
定期保険は、保障期間内(定期)に死亡、あるいは高度障害状態になった場合に保険金が支払われる保険です。 満期を迎えた場合の満期保険金の支払いがなく、解約時の解約返戻金ももらえないため、掛け捨ての生命保険と呼ばれています。 他の保険に比べて保険料は安くなっていますが、年齢が高いほど保険料は高くなるのが一般的です。 更新型の定期保険の場合、更新時にはその時の年齢によって保険料が再計算されるため、だんだん保険料が上がっていきます。
保険金の変化
支払われる保険金が一定の標準定期保険と、増えていく逓増(ていぞう)定期保険、減っていく逓減(ていげん)定期保険があります。
定期保険の種類 | 保険金(もらえる額) | 保険料(支払う額) |
---|---|---|
平準定期保険 | 一定 | 普通 |
逓増定期保険 | 上がっていく | 高い(契約期間中の増減はない) |
逓減定期保険 | 下がっていく | 安い(契約期間中の増減はない) |
逓減定期保険は、もらえる保険金がだんだん減っていってしまうのですが、保険料としては一番安くなります。 子供が大きくなる前に、万が一自分が死んでしまった場合の備えとしては、ひとつの候補として考えられます。
終身保険
終身保険は、定期保険と同様に、死亡時や高度障害状態になったときに保険金が支払われるものですが、定期保険と異なり、保障期間は死ぬまでずっと続きます。
満期保険金はないが、解約返戻金がある
終身保険においては、保険会社はいつか必ず支払わなければならない保険金として、責任準備金を積み立てています。 契約者が契約を解約したときには、この責任準備金をもとにした解約返戻金を受け取ることができます。 そのため、定期保険と比べ、終身保険には若干の貯蓄性があると言えます。
終身保険には、いくつかのバリエーションがあります。
- 低解約返戻金型の終身保険
- 一定期間だけ解約返戻金が下がる代わりに、保険料が割安
定期保険特約付の終身保険
主契約の終身保険に対して、特約として定期保険を付ける生命保険です。 一定期間だけ保障を手厚くしたい場合などに、定期保険を特約として付けることで、保険金を上乗せするという考え方です。 特約部分の契約期間は、終身保険の払込期間に照らし合わせて、全期型と更新型に分けられます。
- 全期型: 終身保険の払込満了までが特約の保険期間
- 更新型: 一定期間ごとに特約を更新(更新ごとに保険料増加)
アカウント型保険(予定利率変動型積立終身保険)
アカウント型保険とは、保障部分と積立部分に自由に配分することのできる保険です。 積立金はいつでも残高を把握することができるようになっており、一定の範囲内で自由に引き出すことができます。 払込満了後に積立金をもとに終身保険や年金を購入します。 積立部分にかかる利率は、変動金利となっていますが、最低保障利率が設定されており、その利率以下に下がることはありません。
養老保険
満期保険金も解約返戻金もある
養老保険は、死亡時や高度障害になったときに保険金が支払われる保険ですが、生存して満期を迎えた時に満期保険金をもらうことができます。 そのため、貯蓄性を重視した生命保険と言えます。 満期保険金の額は、死亡時や高度傷害になったときの保険金(死亡・高度障害保険金)と同額となります。 保険料は比較的高いのですが、年齢による保険料の差はあまりありません。
解約した場合は、解約返戻金を受け取ることができますが、早期に解約した場合は元本割れすることになるので注意してください。
こども保険、学資保険
こども保険は、教育資金を準備するための保険で、契約者が死亡した時のための保障を備えています。 詳細は教育資金のページを参照してください
変額保険
変額保険は、運用によって受け取ることのできる保険金や解約返戻金が増減する生命保険です。 思っていたより多くの保険金を受け取れることもあれば、受け取れないこともあるため、リスクの大きい生命保険といえます。 変額保険は特別勘定で運用されており、運用先が複数ある場合は、契約者が運用比率を選択することができます(確定拠出型の個人年金に似ています)。
- 満期保険金や解約返戻金には最低保証はない
- ただし、死亡時や高度障害時には最低保証がある
- 満期のある有期型(養老保険タイプ)と満期のない終身型(終身保険タイプ)がある
個人年金保険
個人年金保険は老後に年金を受け取るために積み立てていくものですが、保険料の払込中に死亡時してしまった場合は、死亡給付金が受け取れるなど、保障機能も兼ね備えています。