財務諸表は、上場企業であれば、四半期ごとに公開されることになっています。 四季報が 3 ヶ月に一度の発売なのも、この決算周期に合わせたものでしょう。 最新の財務諸表は、東京取引所グループの適時開示情報のページや、各企業の Web サイトの IR(Investor Relations、投資家向け広報) というページで誰で見ることができます。 これらの財務諸表を用いて、企業の財政状態や経営成績を分析することを企業分析(あるいは、財務分析、財務諸表分析、経営分析)といいます。 有名な投資家であるウォーレン・バフェット氏も、この企業分析を重要視しています。
下記の図は、3 種類の財務諸表の関係を表しています。 矢印は、時間の流れだと思ってください。
貸借対照表
3 つの財務諸表のうち、貸借対照表だけは期間という概念を持たず、ある時点での財政状態のスナップショットを表します。 財政状態というのは、その瞬間の資産や負債の内訳を表します。 貸借対照表は瞬間的なスナップショットにすぎないので、どういった活動によってその財政状態になったのかを表現することができません。
損益計算書
損益計算書は、ある一定期間の間の損益の内訳を表します。つまり、2 つの貸借対照表の間で、どのような経済活動が行われたのかを表しています。 上記の図では、第1四半期決算と第2四半期決算の貸借対照表の変化が、損益計算書に記載されている経済活動(利益と損失)によりもたらされたことを示しています。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフローも損益計算書と同様に、一定期間の変化を表すものですが、こちらは特にキャッシュ(現金および現金同等物)の増減に着目して作成されるものです。 固定資産をたくさん持っていても、キャッシュがなくなってしまえば企業は倒産してしまうので、その企業がどのようにお金を工面しているかを知ることは大切です。 キャッシュフロー計算書では、借金をして現金を増やしたということや、資産を購入することで現金を減らしたということがわかるようになっています。