車の事故で幽体離脱した北条は、天使 K と出会い、5 人の不幸な人を会計で救うことを約束します。 読者は 5 人を救うストーリーを楽しみながら、会計の知識を一緒に学ぶことができます。
貸借対照表 (B/S)
- 損益計算書の当期純利益のところに 3000 万円と書いてあるのに、社員に払うお金がないのはなぜなのか? → お金をどう使っているかを「貸借対照表」で把握しなければいけない。
- 経営をしていると、「売上」を増やすことに精一杯だったり、「利益」が黒字というだけで安心してしまう。
- 貸借対照表 (B/S) を見るコツは「比べる」ということ。
- 儲け(損益計算書の当期純利益)が出ると、B/S の左側の「資産」の欄に「現金」が追加され、右側の「純資産」の欄に同額の「利益剰余金」が追加される。
- 1カ月分の社員の給料や水道光熱費は、1年以内支払うということで「流動負債」に入れられる(未払金など)。
発生主義
- 決算書には「発生主義」で数字を計上するというルールがある。まだ実際には支払っていない給与などを B/S に未払金として計上するのは、この発生主義のルールのため。逆に、未払金の計上がなければ、見かけ上の利益だけが増えて多額の税金を支払うということになってします。
- 「売上」は入金した時ではなく、売ることが確定した時に計上する(流動資産の売掛金など)。「経費」はお金を支払った時ではなく、支払う音が確定した時に計上する(流動負債の買掛金など)。
- ただし、長年に渡って使うものを購入した場合は、一度に経費として計上するのではなく、B/S 左側の「固定資産」に入れた上で、少しずつ経費として計上していく。これが減価償却費の考え方であり、できるだけ公平な課税を行うための措置。
- 長期の貸付金は固定資産に入るが、将来返してもらう予定のお金だから減価償却はしない。
- 資本金が1億円以下の会社は、業者を接待した交際費で領収書があったとしても、400万円までしか経費にならないと税法で決められている。資本金が1億円を超えると、交際費は1円も経費としては認められない。
財務の健全性
- 貸借対照表を使ってやることは下記の2つだけ。
- 短期的な健全性: 「流動資産」と「流動負債」を比べる
- 長期的な健全性: 「純資産」と「純資産+負債」を比べる(自己資本比率)
- 「流動資産<流動負債」という状況になると、1年以内に支払うべきお金が足りなくなって倒産してしまう。
- 「自己資本比率」が高くないと銀行はお金を貸してくれない。業種によって異なるが、50%以上あるとよい。
増資
- 増資をすれば純資産が増えるので自己資本比率を上げることができる。
- ただし、資本金としてお金を出すのはハイリスク(元本が戻ってこないこともある)ので、それなりメリットを提示しないとお金を集めることはできない。
リスク | リターン | |
---|---|---|
資本金(純資産) | 大 | 大 |
長期借入金(固定負債) | 中 | 中 |
短期借入金(流動負債) | 小 | 小 |
- 増資の目的が新規出店や銀行への返済であれば、高い配当を出すと言うことをウリにして増資するのは望ましくない。配当は法人税を払った後の当期純利益から出さなければならず、当初の目的のためにお金を使う余裕がなくなってしまう。
- 増資でお金を調達するには、上場を目指すことをアピールするのがよい。上場すれば株価は上がり、元本回収のリスクも小さくなるので、出資の魅力は大きい。
- 上場することを目指すのであれば、B/S から分かる「総資本利益率(=当期純利益/資産合計)」も重要になってくる。平均は 5〜6 %くらい。
- 上場するには、総資本利益率の大きさだけでなく、利益の金額自体も大きくなければならない(3億円とか)。